Suno上のメタタグとは、舞台演出や脚本におけるかっこ書きのように、プロンプトの特定の部分について、説明して、プロンプトに影響を与えることができるものです。
例えば、笑いやピアノの間奏というような説明や、囁き声などの話者の特徴や、ロックやバラードといった音楽のジャンルを説明したりできます。
ジャンルやスタイル、韻のふみ方や単語の長さによって結果が異なることがあります。
使用可能なメタタグの例は、公式にあります。
こちらの記事は、Suno AI Wiki を参考にしつつ作らています。
SunoAIについて、ディスコードの登録方法等は、こちらを参考にしてください。
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曲の構成
バースとコーラス
曲をつなげる場合に、効果的なパターンは、各クリップにverseとchorusをいれることです。
通常、verseは、歌のさびに入るまでの導入部分のことを指します。
各verse部分の歌詞は、物語がストレートに展開されるような内容が多い傾向にあり、また、各verseごとに同じようなメロディと韻を踏み、一定の長さになる傾向があります。
邦楽では、「Aメロ」「Bメロ」「サビ」のようにセクションが分けられますが、洋楽では、「verse」「chorus」(サビ)というように分けられます。
Hiphopの世界では、一番聞かせたい箇所を「フック」といい、それ以外を「verse」といいます。
chorusは、文字通り、より壮大で充実した、より多くの声を持つという意味があり、chorusは、
曲のクライマックスでもあり、物語の中で一番壮大な主張が必要です。
chorusでは、verseの歌詞とは対照的に、同じ歌詞が繰り返されます。
この繰り返しが、シンボルのような雰囲気もって、曲の各セクションを一体化させます。
邦楽では、「ここが聴かせたい」というところがサビとしてわかりやすく作られていますが、洋楽の場合、曲全体の流れでテーマがあり、そのテーマを聞かせるのがchorusになります。
ChirpでAIが生成する歌詞には、よく「verse」「chorus」が使われます。
例えば以下のような書き方になります。
[Verse]
静かに佇む、影の中で
思い出が風に乗り、遠くへと消えてゆく
ひとりきりの夜、星を数えて
君の声が、まだ耳に残る[Chorus]
もう一度だけ、君を感じたい
過ぎ去りし日々の、甘い幻
心の隅に、静かに灯る
忘れられない、君の笑顔
スタイルワードはメタタグでも使用することができます。
例えば歌詞をどのように歌うべきかをガイドすることができます。
[emotional Verse]
…エモいバースにしたいとき[Happy Chorus]
…楽しい幸せな感じのコーラスにしたいとき
感情だけでなく曲のスタイルを入れて、[Epic Verse]のような書き方をして、壮大なバースを作るなどもできます。
メタタグに過剰な負荷をかけると、タグ全体が無視されたり、歌詞の一部として歌われたり
することがありますので、できるだけシンプルにしてください。
×[call and response between percussion and bass]
曲のほかのパートは、verse/chorusという2種類だけの単調さを解消するのに役立ちます。
[Intro]
(現在は信用できない)[Hook]
…ほぼChorusと同じで、曲の盛り上がり部分をしめす。[Break]
…曲を中断して全く違う曲調で生成する[Outro]
…曲の終わりをしめす[Refrain]
…繰り返し
イントロとアウトロ
曲のほかの部分としては、「verse」「chorus」の繰り返しの単調さを打ち破るために役立ちます。
Introsは、曲の冒頭で、リスナーの注意をひきつけ、楽曲の世界に引き込みます。
Outrosは、曲の終わりで、イントロと同様にすることもあれば、結論として、物事をしめくくるような、独自のセクションスタイルにすることもあります。
書き方の例は以下の通り
[Intro]
[No lyrics, soft piano melody][Verse]
静かに佇む、影の中で
思い出が風に乗り、遠くへと消えてゆく
ひとりきりの夜、星を数えて
君の声が、まだ耳に残る[Chorus] もう一度だけ、君を感じたい
過ぎ去りし日々の、甘い幻
心の隅に、静かに灯る
忘れられない、君の笑顔[Outro]
さよならの後に残るものは
淡い光と、深い静寂[End]
[Intro]や[Outro]にも同様にStyleを追加して[Epic Intro]のような書き方で曲の雰囲気を指定することができます。
また、イントロやアウトロはインストゥルメンタルの場合も多いので、歌詞部分に[Instrumental]と入れたり、例題のように、[No lyrics, soft piano melody] つまり、歌詞はなく、ピアノのメロディですよや、[guitar solo]のような指定をすることもできます。
Continue From This Clip(V3ではExtendに変更)
歌詞が、生成される曲の長さよりも長くなることがよくあります。
次のクリップの冒頭は、歌詞の続きからスムーズに続けたいものです。
V3になって、つなげる場所を時間指定で指定できるようにはなりましたが、それでもうまくいかないときは、以下のような方法で曲を続けることができます。
確実なルールはありませんが、以下の方法が役に立つかもしれません。
1.新しいクリップを、すでに聞いた歌詞の数行前から始める。
Chirpは、クリップの最後を聴くことによって、歌詞の中で自分がどの位置にいるのかを見つけます。
(テンポの速い曲で最も効果的なようです)
ただし、これをすると、同じ言葉を2回歌うことになることも多々あります。
例)
[Verse]
静かに佇む、影の中で
思い出が風に乗り、遠くへと消えてゆく
ひとりきりの夜、星を数えて
君の声が、まだ耳に残る
上の歌詞で、「君の声が、まだみ」で切れたとき、「ひとりきりの夜、星を数えて
君の声が、まだ耳に残る」と入力した場合、「ひとりきりの夜、星を数えて
君の声が、まだ、み ひとりきりの夜、星を数えて 君の声が、まだ耳に残る」というように歌われる可能性があります。
2.中断された行から始める
上と同様に、「君の声が、まだみ」で切れた場合、「君の声が、まだみ 君の声が、まだ耳に残る」のような歌い方をされる場合があります。
また、「君の声が、まだみ」できれているので、「みにのこる」と続きから歌詞を書いたとしても、きっちりと「君の声が、まだ耳に残る」と続けて歌ってくれないこともあります。
Chirpは、クリップを続けても期待した単語や曲のパターンが見つからない場合、行を落としたり、
歌詞を勝手に作ったり、余計なコーラスを歌うことがあります。
3.次の行から始め、何も繰り返さない。(非常にゆっくりした歌詞で有効かもしれない)
こちらは曲の切れた場所によっては、曲を繋げたときにうまくごまかせることがあります。
Chirpが歌詞を覚えてるのか、たまに行の切れた部分から歌い始めることがあります。
時間指定で曲を続ける場合
少しだけ歌にかぶるように時間を指定すると、うまく曲がつながることが多いように思います(体感ですが)。
先ほどの例でいうと、「君の声が、まだみ」で切れた場合、「君の声が、まだ耳に残る」の行の前の「星を数えて」の”て”の部分で時間をとるような感じです。
できるだけVerseならVerse、ChorusならChorusの歌い始めから生成する方が、曲も歌もまとまりがきれいなので、Chorusの途中で切れたなら、Verseの最後の音の時間をとるみたいにすると、綺麗にまとまりやすいです。
もちろんChorusの最初や、間奏の時の時間でとってもいいのですが、歌詞がおかしくなったり、Chorusの途中から歌い始めたりなどになることが多い気がします。
どちらにせよ、生成ガチャなので、綺麗にうまくいくか、妥協できる範囲で収まるまで、何度か生成しないといけないときがあります。
プレコーラスとブリッジ
Pre-chorusとbridgeは、メインのパターン以外の歌詞を表します。
verseをAメロ、chorusをサビとするなら、Pre-chorusはBメロ、bridgeはCメロといった感じでしょうか。
すべての曲で使用されるわけではありませんが、セクション間のスムーズな流れを作ったり、サビでより爆発させるために緊張感を高めたり、新しいコード進行へのハーモニーの軸として機能させたりするためによく使われます。
Bridgeは、通常、最終Chorusの直前に一度だけ使用します。
新たなコードやメロディを使って変化をつけ、曲の後半をより盛り上げるためのものです。
[Pre-chorus]
[Bridge]
SunoAIで生成された歌詞にはpre-chorusがラベル無しで含まれていることがあります。
ラベルを追加することで、Chirpに、曲のパターンの区切りは意図的なものであり、それ自身のパターンとして歌われるべきであることを伝えることができます。
SunoAIで生成した歌詞
[Verse]
Sunlit streets, moving to the beat,
Laughter in the air, life without a care.
World’s a stage, colors in a blaze,
Moments here to stay, in our hearts always.
[Chorus]
Brighter days, singing in the rays,
Clouds paint the sky, together you and I.
[Pre-chorus]を入れて追加編集した歌詞
[Verse]
Sunlit streets, moving to the beat,
Laughter in the air, life without a care.
[Pre-chorus]
World’s a stage, colors in a blaze,
Moments here to stay, in our hearts always.
[Chorus]
Brighter days, singing in the rays,
Clouds paint the sky, together you and I.
一般的な曲の構成
1.Verse-chorus (Aメロ-サビ)
複数のVerseで物語が展開され、その間にメインテーマを述べるchorusが繰り返されるパターン。
2.Verse-chorus-bridge-chorus (Aメロ-サビ-Cメロ-サビ)
基本的なVerseとchorusの構成に続いて、Bridgeでさらに洗練された様々な要素を追加したパターン。
3.32-bar form (32小節形態)
8小節の4つのセクションに分かれており、Verse×2と対照的なBセクション、最後のVerseというパターン。
4.AAA (トリプルA)
1つの繰り返し部分だけで構成されるパターン
5.12-bar blues (12小節ブルース)
I、IV、I、V、そしてIに戻るというコードに沿ったパターン
6.Through-composed (スルーコンポジット)
Verseとchorusを繰り返すことなく、Intro、Verse、Chorus、Outroのような直線的な構造のパターン
もっと詳しく知りたい方は、参考にしたのが、こちらなので、見てみてください。
各構成の例題曲も聞くことができますよ。
インストゥルメンタル・タグ
曲には楽器だけのセクションもあります。
verseと置き換わることもありますし、また、単独のセクションとしても役立ちます。
以下にプロンプトの例です。
[Break]
[Instrumental Interlude]…インストゥルメンタルの間奏
[Melodic Instrumental]…メロディックインストゥルメンタル
[Percussion Breakdown]
[Syncopated Bass]
[Guitar Solo]…ギターソロ
[Build]…曲の構成や展開を徐々に盛り上げる
[Beat Drop]…歌のないサビになるのかな、たぶんEDM系の用語
EDMのDropについての記事
いろいろと例を作成してみました!今回は間奏メインなので、最後まで生成されてないものもあります。あと読み間違いも。
間奏部分に[Guitar Solo][Build]を入れた曲↓
[Percussion Breakdown]を入れた曲↓
[Beat Drop]
[Melodic Instrumental]
[Syncopated Bass]
[Instrumental Interlude]
とまぁ、こんな感じで、この歌詞のここにこんな間奏を入れたいとか、イントロやアウトロをこんな感じにしたいとかそういう時に、自分で自由に指定できるのがインストゥルメンタルタグになります。
これを使うとChilip任せで作るより、より自分らしい曲になります。
長めな曲をしっかりと作りこみたいなら、覚えておいて損はないかと。
ボーカルタグ
ボーカルセクションにもプロンプトの指示を出すことができます。
Wikipedia
音楽用語の膨大なリストは以下のWikiを参考にしてください(英語です)
その他ヒント
おまけ
ここから先はガッツリ歌詞を用いて、インストゥルメンタルタグの内容を踏まえたうえで作た歌詞と曲になります。
ほかの項目も入れるとごちゃごちゃしちゃうので。
興味があれば見てね。V3だとうまくいかなかったのでV2で生成しています。
やべ、曲がめっちゃ長くなった……
[Intro] (※ここは無視された)
[Melodic Instrumental][Verse 1]
静かな夜に耳を澄ませば
星たちが奏でる小さな音楽
空に手を伸ばし、触れたいと願う
遠い宇宙の調べ、ここに届けと[Chorus] 星空の下で、ひとり歌うよ
心の奥深く resonating (響き合う)
遥かな旋律に身を任せて
この夜が終わらないように[Instrumental Interlude]
[Verse 2]
君と見た夜空、今は遠く
でもその瞳に映った星は消えない
願いごとをそっと星に託して
時間さえ越える、永遠の光を[Chorus]
星空の下で、ひとり歌うよ
心の奥深く resonating (響き合う)
遥かな旋律に身を任せて
この夜が終わらないように[Epic Melodic Instrumental]
[Bridge]
静寂の中で感じる、宇宙の鼓動
星々が織りなす、無限の物語
心に刻まれる、一瞬の美しさ
明日へと続く、希望の道[Melodic Instrumental]
[Build][Chorus]
星空の下で、ひとり歌うよ
心の奥深く resonating (響き合う)
遥かな旋律に身を任せて
この夜が終わらないように[outro] (ここはoutroではなく、[ambient End]でもOK。今回は明示的な意味でoutroにした)
[ambient Instrumental][End]
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